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不況下こそ予防が大切   




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《2009年3月20日 記事》

厚生労働省は19日、うつ病などの精神疾患や自殺が労災にあたるかどうかの判断指針を見直し、新たにパワーハラスメント(パワハラ)を最も重いストレス要因として追加する方針を決めた。同日開かれた同省の専門家検討会の報告書案に盛り込まれた。

 職場でのストレスの強さを評価する項目は現在31あり、報告書案では12項目追加される。評価項目はストレスの強度で3段階あり、パワハラにあたる「ひどい嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」は最も重いランクが適当とされた。

 パワハラ以外で新たに入った項目は、「顧客や取引先からクレームを受けた」「複数名で担当していた業務を1人で担当するようになった」などで、負荷の重さはいずれも中程度のランクとされた。

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とうとうパワハラも労災認定の判断指針に入ってきました。

パワハラを受けたことを自殺や精神疾患の要因として証明するのはなかなか難しいが、職場の第三者が見聞きしていたなどが客観的な証拠になるのでしょう。

いずれにしても、ミスをした部下を上司が叱り飛ばすこともおちおちできない世の中になったと言えますね。



大企業に比べて中小企業では、こういった 「上司と部下の適切な関係の限界」 があまり語られることがないと感じます。

狭いコミュニティで日々ともに密接に過ごしているからなのか、はたまたどこまでがパワハラなんてお互いに考えたことがないからなのか、パワハラぐらい日常茶飯事さと当たり前化しているからなのか(笑)。

現に私が見聞きして関わってきた中小企業では、「顧客や取引先からクレームを受けた」「複数名で担当していた業務を1人で担当するようになった」などは蚊に刺された程度の変化としか受け止められていません。
(大企業でも似たようなものでしょうが・・・)



ここ数年、仕事が一因となったうつや精神疾患、自殺などの不幸な話題を頻繁に耳にします。

特にこの経済不況下では、人員削減や採用縮小が行われ、既存社員への業務負担はどこの会社でも増えているはずで(好業績企業でも同じ)、潜在的な可能性はすべての企業が抱えていると言っても過言ではないでしょう。

メディアが報じる傾向としては、うつや自殺といったメンタルヘルス対策という側面ばかりを注目しており、うつ病者への対応の仕方や組織としての対応策など、比較的事後対策的な部分が目立っているように思える。

自殺はうつが侵攻した延長かもしれないから別として、うつになった社員にどう応対すればよいかなどはなかなか難しい話だと感じる。



むしろ、現在の不況下の経済状況で組織が考え対策を講じる必要があるのは、負担が重なっている社員をうつにさせないようにする為の予防策であると思う。

多忙だから2人3人分の業務を持ってもらうしかない、そういった業務のたらい回しをしていると、そのうち精神に異常をきたす社員は雪だるま式に出てしまうだろう。

そうなる前に、例え業務負担が多かったとしても何とか頑張って耐えられる仕組みを作らないと。



いくつか考えられる選択肢はあるが、以下の3つぐらいは必須対策であると思う。


  1、いつ多忙な状態から抜け出せるのか先の展望を見せる(不確実であっても)

  2、「やってられない!」声を気楽に吐き出せる環境を用意しておく

  3、負担の多い社員に対する「報い」をけちらずに出す(お金でなくてもいい)


人間先が見えない重労働ぐらい絶望感を感じるものはない。

また仕方なく荷を背負うわけなので、当然文句も言いたいわけであり、それを気軽に吐き出す場が必要。

報いがなければ辛い状況は続かないのは当たり前。



メンタルヘルスに対する事後対策ばかりが叫ばれて久しい世の中ですが、企業組織で本当に考えていかなくてはならないのは、実は・・・


  うつや自殺に至らないようにする為にどういった職場環境や仕組みを作っておけばよいか


ということであるのは間違いありません。



会社に夢や希望があり充実した仕事ができていて、自分自身の人生の今もその先も明るく思えるなら、また予防策も整っていれば、多少忙しい状況が続いていこうが社員は頑張って乗り越えるだけのポテンシャルを持っているはずです。

単純ですけど、そういった組織になっていないから、おかしくなっていくのではないでしょうか。



大企業はともかくとして、そういった対策を講じることに遅れがちな中小企業経営者の皆様には、経営者の給与を一時的に削ってでも是非報いをけちらずに、そして、負担多い社員が自由に声を吐き出せる場を作って上げて欲しいと願います。

社員は働く意思は大いにあるのでしょうが、ただ、


  自分がどれだけ辛いか、どれほど頑張っているかを分かって欲しい、少しは報いて欲しい


そんなささやかな承認を求めているのではないのかなと。



認められることなくして、組織の中で働く意義は感じられませんから。
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by ncrd | 2009-04-14 22:57 | コミュニケーション

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