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部下は上司の思い通りには動かない   




2000年代にビジネスの場を中心にコーチングが広がりを見せてきました。

現在、世界的な経済不況が騒がれ続けていますが、1990年代はバブル崩壊で「失われた10年」。

年功序列や終身雇用が通用しなくなった90年代に、人材育成の救世主としてもてはやされたのが
「自発的に考え行動する、目標達成していく為のコミュニケーションスキル」コーチングでした。

さて、この大不況下、またまた行き詰った経済状況の中でコーチングがどれくらい通用するのでしょうか。



大企業や官公庁などにおいて、既にコーチング力を身につけておくことは、管理職やリーダーがリーダー
シップを発揮したりマネジメントをしていく上では、必須のスキルであることが定着しつつあります。

管理職の研修と言えばまずコーチングを学習せよ、と言われるほど。

複雑かつスピードが要求される現在の経済場面では、肥大化した組織で指示命令だけの指揮命令系統
しているだけでは当然現場の対応力は弱く、部下は混乱してしまいます。

かといって「自分で考えて何とかせよ」だけの放任主義でも、最近の指示待ち傾向の強い部下にとっては
砂漠に放り出されたと同じで、考え判断する材料を持っていなければ行動は起こせない。

指示命令やティーチング、またコーチングなど、部下を育てていく上でそれぞれの育成スキルを適材適所
でバランスよく使い分けることが、上司に求められるということでしょう。



企業研修などをしている中でアンケートをとると「コーチンングとはどういうものか」について様々なコメント
をもらいますが、

   『部下を上手く操ることができる術』

   『部下に目標達成へ誘導することができる』

   『上司の思い通りに部下のやる気を上げることができる手段』

こういった声が時々寄せられることがあります(笑)。

やる気を上げるのはいいにしても、上司の思い通りにというのは・・・まるで部下は上司の思い通りに動かな
いといけないとでも言っているような印象を受けます。

コーチングが日本に輸入されておよそ10年以上が経過してきていますが、未だにこういう理解が公然と
まかり通ってしまうところに、ボタンのかけ違いがあるのではとため息が出てしまったりして。



そもそもが、上司が部下を操れるわけがなく、部下は上司の思い通りに仕事をしたいわけでもないでしょう。

ましてや誘導されることは、部下が一番嫌うアプローチ。

部下が最もモチヴェーションを下げるのは「上司が自分を思い通りにしようとする」時だと思います(笑)。



ビジネス現場でいうところのコーチングとは、平たく定義すれば、

   『性格やタイプが異なる一人一人に合わせたコミュニケーションをとりながら、その人の
   やる気に働きかけ行動を動機付け促し、組織と個人の目標を同時に達成し成長を支援
   する為のコミュニケーションスキル』

といえるでしょう。

組織の目標と個人の目標の同時達成を目指しつつ、その人の成長を支援していくものです。

裏返せば、それこそが上司の身につけるべきコミュニケーション力ということになります。



複雑かつスピードが必要とされ、明確な成果と部下の成長が要求される現代経済現場において、上司が
学習し身につけていかなければならない能力とは、

   『部下がやる気を持って自発的に考え行動していく支援をすること』

ではないでしょうか。

コーチングはそういった、上司のマネジメント能力を高める為の1つのツールであり、また、部下の目標
達成力を育て能力を引き出し成長を促す上での1つツール、であると言えます。

そういった意味で、ビジネス現場で誰にどういった場面でどのようにコーチングが活かしていけるのかは、
上司の側に更なる理解や浸透がなければ活かしきれていかないでしょう。



欲を言えば、上司になる前の部下の段階からコーチング力が身についていけば、言うことなしです(笑)。
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by ncrd | 2009-04-07 23:15 | コミュニケーション

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